英語ができると年収は上がるのでしょうか?一言で回答すると、答えは「イエス」です。
■アンケート調査の結果
2016年、株式会社キャリアインデックスがこのことに関してアンケート調査を実施しています。その結果は、以下のように、年収と英語力に相関関係がみられたのです。
年収と英語の日常会話および読み書きができると回答した人の比率
○700万円以上:48.7%
○500~700万円未満:34.0%
○500万円未満:22.4%
もちろん、英語力だけが年収を押しあげているわけではありませんが、これだけきれいに相関してくるとなると、少なくとも「英語力は年収に関係ない」とは言えませんね。
■グローバリゼーションの波
では、なぜ英語ができれば年収が上がるのでしょうか?これには様々な事情や要因があります。しかし、その要因をたどっていけば「現在の日本はグローバリゼーションの波にのって、市場を国内から海外へと移しつつあり、機会損失をしないための英語力がますます重要となってきたから。」ということでしょう。一例をあげると、年収が高い自営業の人は、積極的に海外とも取引をしているケースが多々あります。国内とだけ取引している人よりもターゲットが広いので売上もあがり、結果、年収もあがるという図式が成立するのです。会社勤めの人の場合、英語ができれば海外赴任を任されることがありますが、その際、海外赴任手当などの特別手当がつくことが多いようです。加えて、単に海外で働くというわけではなく、ある程度重要なポジションを任されるがゆえに海外赴任するというパターンも多く、結果としてそれに見合った給料が支払われているようです。
■英語力と給与の連結
では、会社勤めで海外赴任しない場合は、英語は年収に影響しないのかというと、実はそうでもありません。上述の通り、多くの企業が海外にビジネスチャンスを見い出しており、そのためにも社員には英語ができるようになってもらいたいと考えています。ところがご存知の通り、我々多くの日本人はまだまだ英語が苦手です。中には英語不要論を展開して周りを扇動し、勉強を放棄しようとする人もいます。こうなってくると、いくら企業が努力しても、なかなか英語のできる社員を育てることはできません。社員に無理やりにでも勉強させる方法とは何か。いくつかの企業の行きついた答えは「英語力を給与に直結させる」ことでした。具体的に言えば、「TOEIC高得点取得を昇格の要件にしてしまう」という企業が多く現れ始めたのです。こうなると、英語ができる人は昇格して給与も上がるが、そうでなければ頭打ちとなってしまう…まさに英語によって年収に差が出る構造ができあがったのです。実際のところ、まだまだ英語を昇格要件としている会社は多くありませんが、確実にその波は広がりつつあります。少なくとも、TOEIC高得点者に金一封など、資格取得手当を出している会社は昔からかなり多くあります。そういった「一時的ボーナス」まで範囲を広げると、英語で給与に差が出るというのは、紛れもない事実なのです。
■イングリッシュ・ディバイド
以前より「デジタル・ディバイド」(情報格差)という言葉が、ITや次々にでてくるコンピューター関連の情報やサービスを使える人と使えない人たちの間に格差が生まれているという意味で、使われるようになりました。今後このコンピューターやITの発達により、より世界中との通信が容易にできるようになり、国際語である英語の位置づけは、その重要度を増すばかりです。「イングリッシュ・ディバイド」などという言葉は、毎日聞くようなものではありませんが、まちがいなく存在し、それが作り出す格差も日に日に大きくなっています。
仕事で活躍してお金も稼ぎたい。そう思っている方は、英語も「仕事」と割り切って勉強するといいかもしれませんね。ただ、確実に言えることは、割り切って学んだ英語であれ、それは私生活にも多大な恩恵をもたらしてくれるということです。給与に加え、それ以上のものを得ることができますよ!