「海外で一躍有名となった日本のアニメ」と聞けば、恐らく皆さんは『ドラゴンボールZ』や『セーラームーン』、それに『ポケットモンスター』を想像するでしょう。もちろん、これらは大正解です。大抵の国の人が上記作品を知っていますし、小さい頃よく観ていたと回答する外国人も多くいるはずです。最近の日本コンテンツの輸出は勢いを増しており、これら「往年の名作」に加え、深夜帯のアニメもすぐに翻訳・放送されているという状況です。これにより、日本人並、さらには日本人より日本のアニメに詳しい外国人も現れるようになりました。今回は、このような「文化交流」をちょっと覗いてみましょう。
■どらえもん
日本では誰もが知っている「ドラえもん」は意外に知っている外国人が少ないのです。実は海外では、のび太がドラえもんに頼りきるという構図は、子供のお手本として相応しくないという考えがあるようで、特にアメリカでは2014年まで放送されることはなかったのだとか。
■トランスフォーマー
現在は実写映画化もされているアメリカの人気コンテンツ、「トランスフォーマー」(英名では複数形の「s」が着いて「トランスフォーマーズ」)がもともとは日本発祥であることはご存知でしょうか?タカラ(現タカラトミー)が発売していた変形ロボット玩具に目を付けたアメリカの有名おもちゃ会社が業務提携をし、その際「トランスフォーマー」の設定が各ロボットに付与されていきました。その後、マンガやアニメ、映画とフランチャイズ展開をしていったのです。
■スパイダーマン
アメリカ発祥の「スパイダーマン」ですが、実はオリジナル日本版が存在しています。70年代、東映とマーベルコミックが業務提携し、お互いのコンテンツを好きに使って良いという契約をしました。そこで東映側はスパイダーマンを実写化したのですが、このスパイダーマンは宇宙人という設定で、巨大ロボットに変形する宇宙戦艦を所持しているという、オリジナルは現代バージョンのストーリーからかけ離れた内容でした。しかしながら、この日本版スパイダーマンが巨大ロボットと共にAmazing Spider-Manの12号(2015年)で登場し、オリジナルのスパイダーマンと共演を果たしました。これはトランスフォーマーほどではないにせよ、アメリカ側の逆輸入パターンですね。
■恐竜戦隊ジュウレンジャー & パワーレンジャー
こちらは「巨大ロボットを所持するヒーロー」という設定ですが、現在も続く「スーパー戦隊シリーズ」へと受け継がれていくことになります。そのスーパー戦隊である「恐竜戦隊ジュウレンジャー」が、後にアメリカへと渡り、「パワーレンジャー」と名前を変えて放送を開始しました。変身後の戦闘シーンは日本のオリジナルを流用しつつ、外国人キャストによって変身前のシーンが演じられたこのシリーズは、たちまちキッズの間で大人気となりました。現在でも新しい「パワーレンジャー」シリーズが放送され続けており、今年2017年にはハリウッド映画化も達成してしまいました。
このように、身近な日本文化が意外な部分で海外と繋がっていることがあります。今回はアニメや特撮に関する話でしたが、その他の分野でも様々な形で、日本は世界と繋がっているのです。こういったことを知っていくと、遠い国々が身近に感じられますね。